豊かな自然からいただく贈り物

秋田県大仙市に工場を構える「ローズメイ」。奥羽山脈の麓に位置し、澄んだ水と空気があふれる大自然に囲まれています。創業65年のローズメイが、バラとミツバチの産品を作るようになって45年。ローヤルゼリーやプロポリス、蜂蜜を使ったジャムのほか、農薬を使用せずに育てたバラから抽出したローズウォーターなど、食と美に関する商品を幅広く展開しています。

秋田県産の蜂蜜は国内トップレベル

そんなローズメイ自慢の蜂蜜は、花の種類別にひまわりやクローバー、コーヒーなど通年で5種類ほど販売されています。特にアカシアとマロニエは、国内でもトップレベルの品質を誇る秋田県産の蜂蜜を提供。

「マロニエは、フランス語でトチノキのことを指します。生産量がわずかで希少な蜂蜜ですが、秋田県は日本で有数のトチノキの産地。ここで採蜜されたマロニエ蜂蜜は、柔らかなコクと深みのある甘さが特徴です」。そう教えてくれたのは、ローズメイの3代目を務める原田青（はらだせい）さん。そして何より秋田県には、知る人ぞ知るミツバチの楽園があったのです。

純度の高さの秘密はアカシア群生地

秋田県の県北にある小坂町（こさかまち）と鹿角市（かづのし）。ここは古くから鉱山が栄えていましたが、その繁栄と引き換えに、煙害による山間部の荒廃が問題になっていました。そこで森をよみがえらせようと、明治43年から耐煙性樹種のニセアカシアを継続して植樹。100年以上経った今では、およそ300万本が自生する国内最大のアカシア群生地となりました。アカシアの花が咲く6月頃には街中に甘い香りが漂い、小坂町では毎年「アカシアまつり」も開催されています。

ミツバチは花を選んで蜜を集めるわけではありませんが、これほど広大な群生地であればほかの花を求める必要もなく、自然と純度の高いアカシア蜂蜜が出来上がるのです。
東京生まれで長期海外生活の経験もある原田さんは、アカシアの群生地を始めとする秋田県の豊かな自然は宝物だと語ります。豊かだからこそ、その恵みを受け取って健康的なおいしい商品を作ることができるのです。

心がほどける芳醇な香り

特にアカシア蜂蜜は、純度の高さが色に表れます。限りなく透明に近い、うっすらとした琥珀色。花の香りがふわりと漂い、その時点ですでに「これが蜂蜜…!?」と思ってしまうほど。「ぜひ一度、そのまま召し上がってみてください」という原田社長の言葉に従って、スプーンですくって食べてみると…思わず目を見張るほどの上品な甘さが口いっぱいに広がります。アカシア蜂蜜は「蜂蜜の女王」とも呼ばれているとのこと、納得です。

実は私、昔から蜂蜜特有の香りが苦手で、ホットケーキはいつもメープルシロップ一択でした。ところがこの蜂蜜と出会い、本物はかくも魅惑的なものなのかと蜂蜜に対するイメージがガラリと変わってしまいました。