No.1314ゆずの香り しのぶ漬(豚肉の味噌漬け)1.2kg
厳選した豚ロース肉を自家製の味噌だれに漬け込みました。 やわらかいお肉なので、お子様からお年寄りまで、ご家族でお召し上がりいただけます。 調理法はフライパンで焼くだけ。こげやすいので、中火でじっくり火を通してください。 白味噌をベースに麹味噌、酒、みりんなどを使用したマイルドでほんのり甘い味噌だれに、ゆず皮のスライスを加え後味さわやかに仕上げました。豚肉の旨味と相まって、ご飯が進みます!
頑固な先代の味を受け継いで
「ゆずの香り しのぶ漬」は福島市民に40年以上愛されている、富田食肉店(食肉卸業)の看板商品です。

市の中心にある「信夫(しのぶ)山」と、江戸時代から栽培され、かつて信夫山が北限とされていた「ゆず」が商品名の由来。開発したのは当時の社長、富田龍夫さんです。
昔気質で「仕事を教える」ということをしなかった龍夫さんの口グセは「自分で考えろ、見て覚えろ」。しのぶ漬の味の決め手である味噌だれをはじめ、商品の仕込み方は、2代目となる息子の富田竜一さんが調理場で父の作業に張り付き、メモを取りながら覚えたのだといいます。
そんな頑固な先代も、料理の腕は魔法のようにピカイチ。竜一さんと一緒に調理場に立つ奥様の里美さんは「じいちゃん(先代)が作るものは、コロッケもメンチかつもすごくおいしくて。手から何か出ているのでは? と思うくらいでした」と話します。
先代が亡くなって7年。受け継いだたれはさらに試行錯誤を重ね、今では「竜一さんの代になり、よりおいしくなった」と昔からの馴染み客に言われることも。
厳しさと愛情がこもった父の味。舌で覚えているその味を超えようと、日々おいしさを追求しているご夫婦です。
味噌だれ作りは重労働

現在、味噌だれ作りを担当しているのは里美さん。大きな鍋で一度に15㎏ものたれを、多いときは日に2~3回作ります。こげやすいので、火にかけながら1回2時間、絶えず混ぜ続けなければなりません。細い腕で重たいヘラを動かし続けるのは大変な作業です。
かくし味のゆず皮は、お肉に塗る直前に加えます。焼いてもやわらかくいただける厚みを研究したという豚ロース肉に、一枚一枚ていねいに味噌だれを塗り重ねていきます。

ゆずは決して主張せず、食べたときほんのり後味を感じる程度でクセがありません。
おいしさと「焼くだけ」の手軽さが好評で、リーピーターも多数。お歳暮・お中元にも重宝されています。受け取った方が「おいしかったから」と、直接注文をくださることもあるのだそう。
おいしさと笑顔を届けたい
富田食肉店は飲食店や学校給食等への食肉卸しと同時に、飲食店としても知られています。
店舗2階と3階に、合わせて60名ほど収容可能な宴会場があり、肉質の良い焼肉を提供しています。
週末は予約がとりにくい人気店も、2011年の東日本大震災後は、一時営業を止めざるを得ませんでした。電気が3日間止まったため、冷蔵庫の中の食品は傷んでしまい廃棄。冷凍庫は閉め切っていれば食品の保管に問題はありませんでしたが、中のソーセージやハンバーグを炊き出しに使ってもらおうと、避難所に届けたこともありました。
そしてさらなる打撃となったのが、2020年に感染が広がった新型コロナウイルス感染症です。
春から学校が休校になったことで給食用の肉が出荷できなくなり、宴会場も客足が遠のいてしまいました。
逆境の中にあっても「感染対策を講じながら、変わらずおいしいものを届ける。これに尽きます」と竜一さん。お客様の笑顔を励みに、愛される商品づくりに家族・従業員一丸となって取り組んでいます。
