日本酒の専門家　高橋理人さんから試飲していただきました

糸魚川の日本酒『ただ美味いだけではなく、それぞれが個性豊か』

糸魚川市は知る人ぞ知る「米どころ」です。大断層の「糸魚川静岡構造線」を有する市内の平野部は狭く、谷がいくつもあり、田んぼには山々の栄養が溜まりやすい地形をしています。日本酒もそのお米を使ってつくられてきました。

糸魚川市では、「お米の味は谷ごとに違う」という話をよく聞きますが、同じ市内でも場所やつくり手によってお米の味は様々。これは日本酒も同じです。

髙橋さん曰く、「糸魚川の日本酒は、１つ１つのお酒の個性が豊か。そのため、全５蔵の５つの酒を飲みくらべる価値が高いといえます。実は、私自身が日本酒の素晴らしさを知ったのも糸魚川で、この楽しさはぜひとも体感いただきたいですね。また、５本あるとあらゆるシーンに合わせられますよ。」とのこと。

では、各蔵の個性とはどのようなものなのでしょうか。
今回、髙橋さんに各蔵の『純米吟醸酒』を試飲いただき、＜味わい（淡麗～濃厚）＞と＜香り（爽快～芳醇）＞の２軸で、それぞれの特徴をマッピングいただきました。

五蔵の純米吟醸酒　高橋さんの講評

それでは、各蔵の『純米吟醸酒』について、髙橋さんからいただいた詳しい講評をご紹介します。
（※順番は、銘柄の五十音順です。）

加賀の井　純米吟醸

フレッシュで香り高くキレキレ　若者向けで食中酒にもオススメ！

“フレッシュ”という言葉に尽きるお酒で良いですね！
ライチ系のフルーティーな香りがすごく華やかで、お米の味わいもしっかりしています。
それでいて、キレが良くゴクゴク飲め、特に若い方にはたまらないでしょう。
冷酒か常温がオススメで、食中酒にもぴったり。
何にでも合わせやすく、チーズやトマトを使った洋食にも合います。
日本酒をある程度かじっているハツラツとした若い方には、特に飲んでいただきたいですね。

【味わいと香りのパラメーター】
＜味わい＞淡麗３　＜香り＞芳醇５

謙信　純米吟醸

究極的なバランスの良さ　幅広い日本酒好きに『どストライク！』

味のバランスが非常に良いお酒です。
日本酒らしい香りは強すぎず弱すぎずで丁度よく、味も濃すぎず薄すぎずで万人受けしやすい味わいです。
実は、私が日本酒に目覚めたのも『謙信』がキッカケでしたが、改めてこのバランスの良さは究極的ですね！
ぬる燗から常温、冷酒と様々に楽しめ、日本食として伝統的な白身魚や野菜にも合わせやすいです。
幅広い日本酒好きにゆっくりと晩酌いただきたいですね。

【味わいと香りのパラメーター】
＜味わい＞淡麗２　＜香り＞爽快２

月不見の池　純米吟醸

高い透明感でさらりと飲める　女性や日本酒ビギナーにもオススメ！

あっさりとしていて透明感の高いお酒です。
それでいて味が乗っており、バナナを彷彿とさせるうま味が良いですね！
コクがあっても雑味がなく、さらりと飲めるため、女性や日本酒ビギナーの方でも飲みやすいと思います。
冷酒か常温がオススメで、白身魚の塩焼きやお浸しなど、素材の味を生かした料理との相性も良いです。
これから日本酒を楽しむ方に向けて様々な楽しみ方でオススメしたいですね。

【味わいと香りのパラメーター】
＜味わい＞淡麗１　＜香り＞爽快２

根知男山　純米吟醸

自社栽培米でお米づくりからこだわる　ワイン好きな女性にオススメ！

バニラを彷彿とさせる香りと酸味が特徴的でワインのように楽しめるお酒です。
フランス・ボルドーのワイン同様、原料の栽培から自社で取り組むスタイルで、お米のうま味がしっかりと感じられます。
しっかりとしつつも上品な味わいは、50代以上の女性に特に好まれると思います。
ぬる燗か常温がオススメで、肉料理や赤身の魚にも合いそうです。
ワイン好きやエレガントで大人な女性には、特に楽しんでいただきたいですね。

【味わいと香りのパラメーター】
＜味わい＞濃厚５　＜香り＞芳醇４

雪鶴　純米吟醸

濃厚でトラディショナルな味わい　50代以上の男性には特にオススメ

昔ながらの日本酒で、新潟らしいトラディショナルなお酒です。
栗やさつまいもにも似た穀物の香りと濃厚でしっかりとしたお米の味わいが良いですね。
これぞ日本酒という味わいで50代以上の男性には特にオススメです。
しっかりとした燗酒（55℃以上）でいただくのがオススメで、魚の煮付けや照焼き、糸魚川名物の魚「メギス」との相性も良いです。
往年の日本酒好きが、酒のアテと楽しむのに特に向いています。

【味わいと香りのパラメーター】
＜味わい＞濃厚４　＜香り＞芳醇４

ぜひ、この飲み比べを通じて、お好みの銘柄を見つけてください！