郡上市の地場産業「スクリーン印刷」。 水と空気以外なににでも刷ることができる手刷りの文化を見直し、新たな産業の発展を目指してスクリーン印刷業界の若手による組織GRAND が立ち上がりました。 初年度の 2023 年、GRAND では「郡上おどり」をテーマにおどりアイテムをアーティストとコラボし制作、展示販売を行いました。 デザイナー堀義人は、白の地に青い月が刷られた「新月の T シャツ」を、ことあるたびに発表してきました。2023 年は、8 月に 2 度の満月が見られる「スーパーブルームーン」という稀有な年でもあったことから、闇夜をモチーフとした紺 T シャツに、抜染（ばっせん）という技法によって、満月を染め抜くというスクリーン印刷に挑戦し、この T シャツが完成しました。 郡上おどりは参加型のおどりでだれでもどんな格好でも輪に加わり、踊ることができます。浴衣は用意できないが、気軽に踊りの服装に身を包みたい方に寄り添ったおどりアイテムとなっています。 古くから、繊維の色を抜く「抜染（ばっせん）」という技術はありますが、スクリーン印刷が盛んな郡上では、インク開発の技術革新も日々進化しています。月をイメージした丸に合わせ綺麗に色を抜く技術は、この街ならではの、高い印刷技術とインク開発による製品となっています。