美しいこの地に魅了されて…

こんにちは。尾鷲市・天満浦（てんまうら）の甘夏畑を再生するミッションを担い、地域おこし協力隊として2021年1月より尾鷲市に移住してきた日下浩辰と申します。

わたしは尾鷲市を初めて訪れたとき、甘夏の栽培などの知識は皆無でしたが、風光明媚とも言うべくこの素晴らしい景観と自然のチカラ溢れるみかん畑に魅了され、この地に家族と共にやってきて約２年の月日が流れました。

甘夏畑 再生プロジェクト

移住して約2年、耕作放棄地であった甘夏畑を再生させるために様々な整備が作業の中心となりました。それは約15,000平方メートルの畑の草刈りにはじまり、石垣や農道の整備、土壌改良に剪定など…やることは山ほどです。昨年からは、獣害柵の設置も始まり、急斜面や石だらけの固い地盤に悪戦苦闘中です。

協力隊着任後から進める有機栽培の効果が徐々に表れてきており、甘夏の木々の樹勢が強まり元気になってきました。植物も子供の成長と同じように、手をかけただけ成果はでてくることが非常に楽しくやりがいがあります。

この畑は、尾鷲市の天満地区で甘夏を栽培する有名な農家さんが栽培されていましたが、亡くなられたことで耕作放置された状態となっていました。尾鷲市の甘夏は約60年以上の歴史があり、「尾鷲甘夏」とブランド化されていましたが、高齢化で生産者不足、耕作放棄地の増加により栽培量が最盛期の2割以下と年々減少傾向にあり、市場に出回らないことから、幻の甘夏になっています。生産者さんが開拓から、今まで守り続けてきた「尾鷲甘夏」の歴史を守り、次世代に継承していくことが目標です。

日本一の雨と太陽が育てる果実
「雨夏（あまなつ）」

尾鷲市は日本一の雨量を誇る地域ですが、年間での日照時間は東京と比べ１００時間も多くて、夏は涼しく冬は暖かい、とても住みやすい気候です。また甘夏畑がある地区は山の斜面に沿って畑が点在していて、どの畑からも素晴らしい景色が見渡せます。

日本一の雨とたっぷりふりそそぐ太陽、尾鷲湾からの反射光、ミネラルを含んだ潮風という贅沢なほど自然の恵みを受けて育つ幻の果実を「おわせの雨夏（あまなつ）」と名付けました。
ぜひこの尾鷲の隠れた特産品を全国の皆さまにも味わって頂ければ幸いです。

農薬・肥料不使用。
再生２年目の今年だけの味わいは…

尾鷲の自然が作り出す甘夏の美味しさ

再生２年を経過して、甘夏の木々の樹勢が劇的に回復してきました。以前の甘夏畑には、もう少し時間はかかりますが、日々愛情を注いでいる今年の「雨夏（あまなつ）」は、尾鷲の自然が作り出す甘夏らしいさわやかな酸味とジューシーさが溢れ、アクセントになる苦みがしっかりと表現できる味わいとなりました。

<みかん農家のお母さん直伝レシピ>

甘夏特有のほろ苦さと酸味を好む方も多いですが、小さなお子さまも食べやすく美味しい食べ方はいろいろあります。

◆甘夏マーマレード
薄皮をむいた実１〜２個分、細かく切った皮３個分と実と皮の４０％程度の砂糖を鍋に入れ火にかけ、アクを取りながらとろみが付くまでかき混ぜます。
ほろ苦さが美味しく、パンはもちろんヨーグルトやサラダに使うのもおすすめです。

◆甘夏のハチミツがけ
甘夏は、実の白皮部分がほろ苦いので、白皮はむいて、ハチミツを少しだけかけていただきます。お砂糖やオリゴ糖でも美味しいですが、甘夏にはハチミツの優しい甘さがおすすめです。

◆甘夏氷
むいた実をジップロックなどの袋に入れて冷凍します。凍った実を少し砕いたり、ミキサーにかけたり、お好みの形状でいただきます。
キャンプやピクニックに凍ったまま持っていくと、昼頃に冷たい甘夏を楽しむこともできますよ。

この他にも絞った果汁に砂糖を少し加えただけの甘夏ジュース、また甘夏ジンや甘夏ウォッカなどのカクテルにしても飲みやすく美味しくいただけます。
農薬など不使用なので、むいた皮での甘夏風呂も楽しめますよ。

＜おすすめの剥き方＞

１．包丁で上皮を切り落とし、外果皮に浅く６か所ほどの切り込みをいれます。
　　※深く切りすぎると、中身まで傷をつけますのでご注意ください。
２．切り込みにそって底面からヘタに向かって皮を剥きます。
３．剥いた実をとり分けて、キッチンばさみなどで写真のように内皮果をカットします。
４．中身を取り出します。内皮果と内皮をきれいに取り除きます。

１年ごとの味をお楽しみください

今年も甘夏の木が少しでも元気になるように、家族全員で精一杯頑張っていきますので応援よろしくお願いします。

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日本一の雨とたっぷりふりそそぐ太陽、自然の恵みをたっぷり受けて育った幻の果実です。