作家「菊田 一朗」
こだわり抜いた素材たち
絵が描かれる屏風本体は、作家「菊田一朗」自身の製作によるものです。
幾重にも和紙が貼り込まれた屏風は、湿度の高いときには湿気を吸い、乾燥したときには湿気を放出します。これにより作品の湿気は比較的一定に保たれるため、長期にわたる保存が可能となります。
屏風は国産楮(こうぞ)１００％の手漉き和紙を使用。繊維が長いため強靭で、千年の保存が可能といわれています。
最近はタイ産の輸入楮も増えてきましたが、南方の楮は成長が速い分だけ繊維が短く、国産に比べ強さに劣ります。
山原屏風は、由来の知れた国産楮和紙を使用しております。
正麩糊により和紙を袋状に張り合わせ、空気の層を作っていきます。
格子本体に自ら和紙を貼り付けています。和紙を何枚も張り付けていく工程に費やす時間は数日間を要します。
手漉き和紙に描かれたやんばるの自然
屏風に描くものは国頭村の自然や生き物達。
飛ぶ鳥や生き物でも写真で撮った物を模写することは一切せず、必ず自分の目で観察しスケッチを行う。
屏風に描くモノクロームの絵は墨にしか出せないやんばるの生命力と温かみが表現されている。
屏風の裏面は、シダの意匠の手刷り木版画が一面に写し出されている。
利休屏風「秋麗」
芙蓉(ふよう)の木にとまっているメスのカラスバトの元へオスが向かって飛んでいる様子を描いている。
国頭村と言えばヤンバルクイナやノグチゲラが有名だが、秋麗に描かれているカラスバトも国指定の天然記念物である。
やんばるの森では秋頃に鳴き声を聞くことが多い。
カラスバトの全長は40センチ程にもなり、かなり大きい方の鳥である。
カラスバトを見かけることは殆どなく、山に入っても中々見ることができない幻の鳥である。
注意事項
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