楽器 新福山琴 4尺5寸 (付属品一式付き) 楽器 琴 福山琴 工芸品 伝統 和 広島県福山市/福山邦楽器製造業協同組合 [BAEW006]
伝統工芸士ら熟練の琴職人が生み出す日本の伝統美「福山琴」 全国有数の琴の生産地として知られる福山市は、広島県の東部、瀬戸内海のちょうど真ん中に位置する風光明媚な城下町です。 江戸時代より始まったと言われる福山琴の歴史は、現在も引き継がれ、福山邦楽器製造業協同組合で生み出す「福山琴」として、昭和60年に楽器として初めて伝統的工芸品の指定を、また、平成18年には地域団体商標(地域ブランド)の認定を受け、その伝統を守っています。 福山市は全国有数の生産量を誇り、楽器として初めて「伝統的工芸品」に指定された「福山琴」の生産地です。 「新福山箏」は、調弦や糸の張り替えが簡単。 小型で軽量ながら音色に優れ、弦間や演奏感覚は、「従来の箏」と全く同じで、箏独自の穏やかな音色を四季折々の演奏でお楽しみいただけます。 付属品とセットでお届けします。 ・画像はイメージです。 楽器 琴 福山琴 工芸品 伝統 和 和楽器 民謡 雅楽
- 容量
- 長さ:4尺5寸(約135cm) 重さ:約4.5kg 仕様:紫檀、ベタ巻 【付属品一式】 1)鳥居台 2)口前サック 3)琴柱 4)琴用ケース 【加工地】 広島県福山市
伝統はそのままに、小型で軽量に生まれ変わった新しい「福山箏」

全国有数の生産量を誇り、楽器として初めて国の「伝統的工芸品」に指定された「福山琴」は、瀬戸内海のちょうど真ん中に位置する風光明媚な城下町・広島県福山市で生まれました。「新福山箏」は、平成14年に小中学校で子どもたちが和楽器を学べるようにと開発されたのが始まり。通常、調弦や糸の張り替えは専門家に依頼する必要がありますが、新福山箏では自分で簡単にできるようになっています。また、小型で軽量なので、身体の小さいお子さんも扱いやすく、大人も持ち運びがしやすいのが嬉しいところ。それでいて音色は従来の箏と遜色なく、弦間や演奏感覚はと全く同じで、箏独自の穏やかな音色を四季折々の演奏でお楽しみいただけます。専用ケースや譜面台、琴柱などがセットになっているため、すぐに箏の演奏を始めることができます。
名曲「春の海」の舞台となったまち・福山
福山市の琴の歴史は、元和5年(1619年)水野勝成(徳川家康のいとこ)が福山に城を築いた頃に始まるといわれています。江戸時代の城下町では、武士や町人の子女の芸事が盛んであり、備後十万石の城下町・福山でも、水野・松平・阿部と続いた歴代藩主の奨励もあって、歌謡・音曲が盛んに行われました。江戸の終わり、文化年間には京都で箏曲を伝授された琴の名手・葛原勾当が帰郷して備後・備中120あまりの町村をまわり、その弟子の数は580余名。その影響もあり、福山を中心として、早くから琴が生産される土壌ができたといわれています。
また、「春の海」で有名な箏曲家・宮城道雄の父は福山市・鞆の浦と所縁が深く、先祖代々の墓は鞆の南禅坊にあります。「鞆ノ津」という随筆の冒頭には、「私は神戸生まれとなっていゐるが、自分としては、やはり先祖からの鞆を故郷のやうに思ってゐる」と記されており、故郷である鞆の浦を思って作った曲が「春の海」です。葛原勾当の孫・葛原しげるとも関係が深く、2人の名コンビによって98曲もの童曲が生み出されています。
原木選びから調弦まで。長い時間と熟練の技術をかけた琴づくり

琴の製作工程は、原木の桐を選ぶところからはじまります。およそ1年かけて乾燥させた桐材を切り出し、琴の胴体にあたる「甲」を作っていきます(甲造)。甲は、「刳(く)り」「彫り」「裏板付け」「焼き」「磨き」の工程を経てできあがります。
さらに、装飾、仕上げを経て完成。調弦までが作り手の仕事です。これらの工程のほとんどが、熟練した琴職人の手作業で丹念に仕上げられます。
気の遠くなるような時間と確かな技術、そして何よりも琴に対する深い愛情が日本トップクラスの「福山琴」を生み、育てるのです。
琴の価格はその“質”を表します
琴の価格はひとつひとつ異なり、相場というものがほぼありません。琴に馴染みがない人にとっては不思議に思うかもしれませんが、使用する木材の条件がひとつひとつ違い、それが琴の品質を左右するからです。
樹木の年輪は、育った地域の日照時間や気温、降雪量などによって随分と違ってきます。木の表面に近いほうが木目が詰まった固くてよい材料ですが、一本の木の中でその条件を満たす部位はごくわずか。最良の材料は一本の木につき一面ほどしか取れないほどなのです。また、材料の切り取り方にもいくつか方法があり、甲に美しい木目が出ているものは、音色が均質になるという特徴があります。
このように材料を切り取るには、樹齢の長い大きな原木でなければ取ることができません。その他にも、甲の彫りや裏板付けの方法、装飾などによっても違いがあり、こうした様々な違いが、結果として琴の価格にも反映されるのです。
『福山邦楽器製造業協同組合』理事長の藤井さん

「福山の琴は、伝統工芸士ら熟練した琴職人により、手作業で丹念に仕上げております。日本の伝統楽器である琴を通じ、和楽器に親しんでいただくきっかけをつくるとともに、地域振興に寄与できればと願っています」