高知県 高知市 (こうちけん   こうちし)

高知県伝統漆器「土佐古代塗」汁椀・箸セットプレミアム

「土佐古代塗」とは、高知に伝わる伝統的特産品の一つです。一般的な漆器とは異なり、ザラッとした手触りが特徴で、指紋も傷もつきにくいため日常使いにオススメです。現在、「土佐古代塗」をつくれるのは日本で唯一、美禄堂のみ。土佐の匠の指定を受け、現代の名工にも選ばれた職人の器を、ぜひご自宅で使ってみてください。 【汁椀】 ・木製漆器の特徴として、熱い御汁を入れてもじんわりと暖かくなるぐらいで、持っても熱くありません。 ・上部が外側に少し反っているので、お客様からは飲みやすいという評判もいただいています。 ・プレミアム仕様で、桜模様が正面と対面2か所に入っています。 【箸セット(プレミアム)】 気軽に使える「うるし」のお箸。 下地からすべて本漆100%で塗り上げていますので、安心してお使いいただけます。 「土佐古代塗」の特徴を生かした、非常に丈夫なつくりになっており、 1度お使いいただいた方には、ご好評を得ています。また、箸先がざら地仕様になっていますので、滑りにくく、扱いやすくなっています。 男性用は、女性用より径が太い仕様です。 色は黒と赤に金色を施したプレミアム仕様で、男女ペアセットになっています。 毎日のお食事にぜひ、本物の漆器をお使いください。

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  • 常温
  • 冷蔵
  • 冷凍
  • 定期便
  • ギフト包装
  • のし
容量
【汁椀】 サイズ:径11cm×高11cm /材質:樺桜の木の刳り物・本漆(桜模様入り) 【箸セット「プレミアム」】 サイズ:長さ22.5cm /材質:木製・本漆(夫婦箸2膳組)

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高知の伝統的特産品・土佐古代塗

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高知県には地域で受け継がれてきた全国に誇れる伝統的特産品が存在し、中でも50年以上の歴史があり、高知独自の技法で作るものを「高知県伝統的特産品」として指定しています。今回ご紹介する「土佐古代塗」も、高知独自の漆芸として高知県伝統的特産品に指定されている逸品です。

土佐古代塗の歴史と特徴とは

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土佐古代塗が生まれたのは明治初期。廃藩置県が行われて間もない頃、土佐藩佐川城主深尾家に塗師として勤めていた種田豊水(たねだほうすい)によって作られるようになりました。当時の漆芸技術を元に、その弟子たちが改良を重ね、現在の技法が確立したそうです。一般的なピカピカでツルッとしたイメージの漆器とは違い、ザラ地と呼ばれるざらっとした手触りが特徴で、赤黒の色味に風格があります。昭和初期から30年代にかけて一気に普及し、一般家庭でも使用されていましたが、プラスチック製品の登場により取り扱いが激減していきました。そんな中、現在も日本で唯一、土佐古代塗を作っているのが美禄堂です。

土佐古代塗を生み出す「美禄堂」

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訪れたのは高知市長浜。メイン通りから一本入ると見えてきたのは大きな日本家屋。その横に美禄堂の工房が併設されていて、ここから一つひとつ手作りで漆器が誕生しています。

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刷毛や漆の入った缶が並んだ工房に足を踏み入れると、お箸がずらりと立てられている部屋の奥に黙々と作業をしている方がいました。この方が今回お話を伺う、池田泰一(たいいち)さん。作務衣姿がとってもお似合いです。

土佐古代塗の継承者への道のり

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そもそも工房を開いたのは池田さんの父・八郎さん。衰退していく土佐古代塗の技術に興味を持ち、1973年に技法を習得。現在の場所に古代塗の工房・美録堂を開業しました。「父は元々船大工で私が子供の頃からちょくちょくいろんなものを作っていたので、また何か始めたなと思っていました。晩年は、土佐古代塗よりも篆刻(てんこく/印章を作成すること)に没頭していたので、一貫してものづくりが好きだったのでしょうね」と池田さん。そんな父の姿を見ていた池田さんは、大学在学中、進路を考える際に父の後を継ごうと考えます。「当時、父以外に2軒の家で土佐古代塗を作っていましたが、どこも後継者がいなくて、作り手の高齢化も進んでいました。このままでは間違いなくこの技法が消えてしまうと思ったことと、私自身ものづくりに興味があったので、土佐古代塗りを救えるのは自分しかいないという気持ちでこの世界に飛び込みました」と話してくれました。

大学を卒業後すぐに技術継承のために土佐古代塗の道に入り、2代目襲名の際に父が使っていた銘「季久(ききゅう)」を受け継ぎました。1996年に土佐の匠の指定を受け、2017年には現代の名工に選ばれた池田さん。「もう今となっては私だけの技術になってしまいましたが、続けられる限りは製作に取り組んでいき、高知の伝統的な技法を全国に発信したいです」と微笑みます。

30工程を経てできあがる手作りの器

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土佐古代塗は木地に下地を塗り、完成するまでに30ほどの工程を経て完成します。丈夫なトチノキを木地に使い、薄い漆を塗って乾かし、次に濃いめの漆を塗って乾かし、砥粉(とのこ)を水で練り漆を混ぜたものを塗って研いで…と下地だけでも長い道のり。その後、生漆を塗り、その上から朱の粉を全体にまいて黒漆を塗り重ねて研ぎ出すと、土佐古代塗独特の赤黒い色合いが出てくるそうです。

基本的に塗っては乾かすという工程は全て手作業なので、一つの作品が出来上がるまでに約ひと月を要するそう。お箸だと月に70膳、お盆は70枚、汁椀は120個と生産数が限られます。

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ちなみに、独特のザラッとした手触りの正体はこちらのくるみの粉。「ざら地」と呼ばれるこの粉をふりかけることで表面にざらつきを与え、箸などは滑りにくく使いやすいものになるそうです。一本ずつ丁寧にこの作業を行うので並々ならぬ集中力が求められます。

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また、漆が固まるためには温度管理や湿度管理も必要。ムラなく丁寧に塗り上げられたお盆やお箸は並べられた後、適温適湿の状態で乾かしていきます。

土佐古代塗の魅力とお手入れ方法

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土佐古代塗の製品の魅力はなんといってもその強度。漆は固まると非常に強くなり、酸、アルカリなど何を用いても決して剥がれることはありません。また、ザラザラとした表面には指紋や傷もつきにくく、普通の食器用洗剤を使ってスポンジでゴシゴシ洗えるのでお手入れも簡単です。漆器と聞くと特別な日などに使うイメージですが、土佐古代塗は普段使いしやすい食器として気軽に使えるもの。使いながら、その良さを感じてもらうのが一番です。

特に箸は近年の人気商品で、返礼品にもあるように汁椀とセットでの購入が多いとか。元々、箸の製作は手間の割に高い値段はつかないので、父に反対されていたそう。しかし、昔のようにお盆や重箱などが生活の中に登場しなくなった今、買いやすく揃えやすい、人にもお勧めしやすいという理由で箸がダントツの人気になりました。「今後も、人々の生活様式の変化に合わせて商品開発をしていきたい」と池田さん。初孫が生まれた時に作ったというベビー用のお箸とスプーンも見せてもらいました。とってもかわいいですよね?

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後世に残したい伝統技法で作る漆器

漆塗の産地といえばこれまで輪島くらいしか知識のない私でしたが、この取材を通じて高知にはこんなに素晴らしい伝統技術があることを知りました。冒頭でも述べたように、土佐古代塗は今や池田さんが唯一の職人です。技術の継承だけでなく、資源の高騰や生産者の担い手不足により、そもそもの原材料の入手や道具を揃えるのも困難になっているのが現状といいます。「普及はなかなか厳しいですし、完成まで何日もかかるけれど、やっぱりものづくりは楽しい」と池田さんは語ります。手にとって、使い込むほどに味が出てきて自分仕様の器になる土佐古代塗。高級品という概念を捨てて、器を育てる気持ちで毎日の食卓に登場させてみませんか?

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四国支部(高知県高知市担当) / 川崎 萌(かわさき もゆ)

高知県いの町在住。おいしいものを追いかけ、絶景スポットを巡りながら、地元・いの町を中心に高知県の情報発信のお手伝いをしています。専門的なお話や自分の感じたことを、初めて記事に触れる人に分かりやすく伝えることを大切にして取材をしています。

高知県内の美味しいものが集まり、自然も身近にある高知市。気軽に地方を味わいながら、観光をするのにもおすすめの場所です。

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